ICT
先端的なICTを活用。
現場の生産性向上を支援し、
建設業界の新たな姿をつくり上げる
ICT
K.Y.
2010年入社
技術センター ICT推進部
工学部社会環境システム学修了
おおらかで自由な社風にひかれて入社。
現場経験がICT推進の仕事に役立つ
大学では土木を専攻。地震による液状化をはじめとした、地盤工学に関する研究に取り組みました。所属する研究室が佐藤工業と共同研究を行っており、そこで初めて名前を知った会社でしたが、出会った社員の方々のおおらかな雰囲気や自由な発想で研究を進める姿を見て、「自分もこの会社で働きたい」と思いました。入社後は土木職として現場で施工管理の仕事に従事し、トンネル工事などに携わりました。当時から「いずれは現場を技術支援する仕事がしたい」と思っていましたが、その仕事をより充実させるために考えていたことが2つあります。まずは現場経験を積み、現場の現状と課題を認識して理解しておくこと。加えて、理論的に土木工事を理解するために設計業務も経験しておくべきだということです。そして入社9年目に土木設計部配属となり、トンネル工事だけではなく橋梁、ダム、道路などさまざまな工種の設計検討・設計照査という業務を経験。その後、現在のICT推進部に配属されました。現場での経験のおかげで工事の手順や工法などがわかり、「あの場面にこのICTが活用できそうだ」というイメージを膨らませることができています。また、現場ならではの課題や苦労が理解でき、施工担当者とのコミュニケーションがスムーズにできることも、現場を経験してきたおかげです。
ドローンや3次元測量技術を用いて
施工現場の業務効率向上に貢献
所属する技術センターICT推進部は、先端的なICT技術を使って施工現場を支援する部署です。ICT技術を使う最大の目的は生産性の向上です。建設業は他の業種と比べて技術革新の進みが遅く、国土交通省が10年前から工事現場にICT技術を積極的に活用しようという「i-Construction」の取り組みを推進しています。この取り組みによって建設業界のICT技術は目まぐるしい速度で発展しています。3次元測量技術やドローン(無人航空機)もその一例です。例えば、「出来形検査」では、人が測量器械を使って調べていたものをレーザースキャナ(※1)やLiDAR計測(※2)という3次元測量技術を用いることで、従来の方法よりもずっと多くの地点を素早く測量できるようになりました。他にも山を掘削して造成する際などには掘削する土量の測定にドローンを用います。従来の地上測量では測量機器を何回も設置・移動させ、数週間をかけて行われて計測を行っていました。しかしドローンを使用し撮影することで、より精度の高い測量が半日程度で完了することに加え、専用ソフトによってその後のデータ処理も迅速に行えます。土量をデータ化することで、掘削前と掘削後の進捗管理もしやすくなり、工事全体の効率化につながります。また、建設の一連のプロセスに3次元モデルを活用するBIM/CIM(※3)といった技術も導入されています。さらに自動運転や遠隔操縦の重機が登場するなど、i-Constructionは次のフェーズに進もうとしています。それらの取り組みの中心的役割を担うのが私たちの部署です。社内において生産性や業務効率の向上に寄与できるだけでなく、広く社会において、建設業が新たな姿に進化していこうという流れに貢献できることが魅力であり、やりがいになっています。
※1、※2 ともに3次元測量技術。レーザー光を対象物に向けて照射し、反射した光を捉えることで対象物の形状や距離を計測する。レーザースキャナは精度が高いが計測に時間がかかる、LiDAR(ライダー)計測は精度がレーザースキャナに及ばないが素早く計測できるという特徴がある。
「推進」という言葉が不要になる日を
めざし、ICTのさらなる浸透に取り組む
形や大きさ、条件などがいつも異なり、「同じ仕事がない」ことが建設の仕事の特色です。そこで、過去の経験をそのまま今の仕事に当てはめるのではなく、アレンジしたり、他の経験と組み合わせたりという応用力が重要になります。ICTは次々に新しい技術が誕生します。それらを施工現場にどのように活用するかというのは、まさに応用力が試される場面です。これからも応用力に磨きをかけていきたいです。部署名に「推進」とあるように、現在は私たちが意図して働きかけることでICTの活用を後押ししています。私が思い描く将来像は、推進という言葉が不要になる会社です。ICTがすっかり定着し、誰もが活用する会社にしたいと考えています。そこで施工現場に足を運んだ際などには施工担当者と積極的に言葉を交わし、課題の解決に役立ちそうな技術や新しい技術を紹介して情報共有することで、社員にとってICTをより身近なものに感じてもらえるよう心掛けています。部署内には、新しい情報やアイデアを活発に出し合える雰囲気があります。チームで共有した情報を社内に広く発信していき、ICTの浸透を図っていきたいです。
ドローンで上空から見る景色が好きです。ツーリングが趣味で、もともと風景を見ることが好きでした。山の向こうが開けて海が見えてくる瞬間など、通常は人の目では見ることができない景色が広がるとワクワクします。自身が携わった現場なら、ワクワク感はさらに増します。