公園や庭園等の修景池の水質浄化技術 水養日の水質浄化

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    水質浄化をめぐる技術や手法は様々です。また、新しい技術の誕生だけでなく、
   社会環境によっても流行り廃りがあるようです。ここでは一般的な水質浄化手法をご紹介
   し、それぞれについて、あくまでも水質浄化に携わってきた失敗と経験を元に各浄化手法
   に対する留意点をつづるものです。

  既存の浄化技術   
 
 水質浄化技術は様々な手法があり、以下のように分類されます。
単独で用いる場合や、複合して用いる場合などさまざまです。
 

 手法は単独か?複合か?手法選定の条件
         
気象や地形、水質、季節変動、生物相の把握 
               無理の無い実行可能な水質保全管理体制の確認
                   適切な浄化手法の選定と配置

   まず、水質や景観の何を改善したいのか? どの程度に復元したいのか?を認識することが重要
  です。また、手法を複合的に用いることで、個々の浄化手法の足りない部分を相互補完したり、
  環境変化に柔軟に対応できるゆとりを持たせることが可能になります。

 浄化手法紹介と留意点  
   1.散気曝気・循環  浄化 

    ■ 希釈水

        河川水をポンプ施設で揚水し、地中配管内を圧送し、離れた池まで河川水を送水し
       ます。また、地下水をポンプでくみ上げて池に放流します。よりきれいな水で希釈する
       ことで、池の水を浄化します。供給されたきれいな水の容量分は、池外に越流排出されます。

      

    ■ 噴水・曝気装置による水質浄化

        噴水は、景観形成に充填を置きつつ、ある程度の水の停滞を防止し、溶存酸素供給を
       行うために導入するケースが多く見受けられます。

         

    ■ 水循環(循環流)

        池水を循環させて、水面で溶解した溶存酸素を広く攪拌させる手法です。アオコの
       発生や水面でベール状に濃集することを抑制する目的で、水中攪拌ポンプや水中ポンプ
       等を用いる場合があります。

           

    ■ 水温躍層攪拌

        気温が高い場合に、池の表層と底層の間に急激な水温差が生じて、表層と底層の水の
       混合が行われなくなります。これによって、表層付近の溶存酸素は底層に運ばれず、
       また、底層は微小生物によって貧酸素状態となり、栄養塩の溶出が生じます。水温躍層
       攪拌は、水底の貧酸素状態を解消し、底層に酸素を供給して、栄養塩の溶出を抑制する
       ものです。主にダム湖など水温躍層が明らかな水深の深い場合に上下方向の攪拌を行う
       ものです。

          

    ■ マイクロバブル発生装置による水質浄化

        マイクロバブル発生装置には、様々な種類があり、一般的には水中の溶存酸素供給に
       よって得られる微小生物活性によって、汚濁を分解  することを目的としています。
       マイクロバブルはφ1mm未満のものと言われますが、決まった基準はありません。

        

    

   2. 浚渫・底質改良 浄化

    ■ 掻い掘り

        池の水を徐々に抜いて、魚類等の生物を一箇所または他所に避難させ、数日間池の底
       を空気にさらし、底質を好気環境に置くことで微小生物分解を促進させます。その後、
       水を溜めて復元させます。

           

    ■ 浚 渫

        池底の汚泥(ヘドロ)を改修除去する手法で、池底から溶出する栄養塩類(リン・窒素
       等)を直接除去する方法です。除去深度はボーリング資料の有機物含有量が規定以下に
       なる深さまで行うことが通常です。汚泥が溜まる数年間は効果的です。

         

    ■ 沈殿池・浚渫

        沈殿池は、池(主池)に流入する水を一旦手前に池(副池)を設ける手法です。流入
       水は、副池に流入し流速が低下することで、浮遊物が沈降し易くなり、主池に越流時に
       は、流入水の浮遊物が取り除かれた状態となり、主池の水質の改善を行うものです。

          

     

 3. 吸着・凝集・ろ過等分離 浄化

    ■ 凝集沈殿

        凝集沈殿法は、池水に凝集剤を散布し、水中の浮遊物を吸着させ、池底に沈降させる
       ことで、水中から浮遊物を除去する浄化手法です。凝集剤には、無機凝集剤や高分子
       凝集剤を用いる場合が多く、また、近年では生分解性凝集剤等も開発されています。
       即効性があり短期間で水質を改善することができます。

            

    ■ 多孔質吸着材

        活性炭や木炭、ゼオライトを池に設置する。または外部タンク等に設置して揚水する
       方法がとられます。この手法は、活性炭や木炭で浮遊物の吸着と藻場を創造するもので
       す。一般的には、網の袋に充填して、水中に設置する方法がよくとられます。基本的な
       役割は接触ろ材充填法と同じです。

          

    ■ 接触吸着材

        接触ろ材とは、水中に設置する固定担体で、その形状は、箱型、ボール状、ひも状、
       モール状、ハニカムと種類や素材も多種多様です。その働きは、水中の汚濁物等を吸着
       固定化することで、結果として水中の汚濁を水から分離することです。この接触ろ材は、
       汚濁を吸着するとともに、藻場の働き、すなわち微小生物の棲家となり、好気的環境下
       における微生物浄化の苗床となります。また、厚く溜まった内部は嫌気化するため、
       窒素ガスを作り出す脱窒菌の生活の場となり、水中の全窒素削減に寄与する場合もあり
       ます。

          

    ■ ろ 過

        タンクまたは筒状の水槽中に、砂・アンスラサイト・ゼオライト・礫等を充填したろ
       過装置を用います。または接触担体や繊維状接触材を密に充填した場合があります。
       どちらの方式も高効率に水質中の浮遊物を除去し、浮遊物由来のCOD・BOD・SS
       ・リン・窒素・カリウム等を除去することができます。

         

    ■ 礫間接触酸化法

        礫間接触酸化手法は、主に流れのある水路や、人工的に閉鎖された水路に揚水した
       池水を流す場合に用いられる手法です。φ50mm以上の礫や礫に換る担体を充填し、
       水はこの礫間を流れる内に礫や担体に浮遊物が付着し、微小生物分解が行われます。
       汚濁が充満されていくと嫌気的環境になり、好気的微小生物活動が阻害されるため、
       散気管曝気を行う場合もあります。付着した汚濁は年に数回引抜いて処分する必要があ
       ります。浄化効果は、施設の規模に左右されます。

           

     

                     4. 菌体・微小生物活性 浄化

    ■ 有用微生物群散布

        現在、市場に出回っている浄化用菌体は、数種類あります。ほとんどは、乳酸菌群、
       酵母群、光合成細菌群、納豆菌群などの嫌気または通性嫌気性微生物等の嫌気性環境を
       好む菌体による水質浄化手法です。様々な実証試験等が行われていますが、菌体だけで
       行った試験の明確な回答が得られていないのが事実です。効果やその程度(汚濁除去能
       力)について公式なデータは示されておらず、評価はまちまちです。

             

  

                       5. 植物栄養塩吸収 浄化

    ■ 浮葉植物

        ホテイアオイ、ウォーターレタス、ウキクサ等を植栽して繁殖させ、水中の栄養塩類
       を水域から除去する手法です。枯れる前に刈り取りし、栄養塩を除去します。

         

    ■ 抽水植物

        抽水植物は、池の岸辺から浅い水深に生える植物で、アシヨシやガマ、マコモ、コウ
       ホネ、ハス等です。これらの植物群落を植栽し、水中の栄養塩を吸収させて繁茂させま
       す。枯れる前に刈り取りが必要で、放って置くと腐敗し、水中に栄養塩が蓄積されてし
       まいます。

         

 

             6. 区画分離 浄化

    ■ フェンス区画

        区画分離手法は、オイルフェンスやシルトフェンス等を用いて、汚濁流入を阻止した
       り、汚濁発生源周囲に設置して汚濁の拡散を防止する手法として用います。 また、
       風向きによって吹き寄せられる水面のゴミ等の流出防止策として用いられます。特に
       ダム湖等の面積が広く、木質系の流木の回収を必要とする場合に多用されます。池等の
       比較的小規模の池の場合、落葉の回収を目的として利用する場合もあります。

           

  

                     7. 光合成抑制 浄化

    ■ 水面日射抑制ブロック・シート

        水面に注ぐ太陽光線を遮断して、植物プランクトン等の発生量を抑制する手法です。
       通常、水面積の約30%以上を覆うことで、アオコや植物プランクトンの発生を抑制する
       ことで、水域の透視度を改善します。水に浮かぶブロック状の担体を多数水面に浮かせ
       ておきます。

       

    

                 8. 補助装置としての浮島の応用

    ■ 植栽浮島

        浮島に植栽を行ったものです。植物の種類はアシヨシ、ガマ、クレソン、クウシンサ
       イ等の抽水植物が多く用いられます。水中の栄養塩(リン、窒素、カリウム等)を吸収
       し、植物体に置換します。

          

    ■ 接触材付浮島

        浮島に接触材を設置して、水中の浮遊物を吸着・固定させるものです。汚濁の吸着量
       は、素材や製品よってまちまちです。汚濁が固定された接触材は、微小生物藻場、魚等
       の産卵場所としての機能を果たします。また、その内部は嫌気化し、藻場そのものが
       好気環境と嫌気環境を併せ持つ機能を有します。

       

  ■ ろ過装置付浮島

        浮島にろ過装置の機能を持たせたものです。通常1つの浮島にろ過フィルターや接触
       材が搭載されています。

       

   ■ 水温躍層攪拌装置付浮島 および マイクロバブル発生装置付浮島

        浮島にマイクロバブル発生装置や水温躍層攪拌装置が搭載されたものです。浮島構造
       のため、適切な場所に移動・設置できる機動力を持っています。

          

                            

 

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