技術とサービス

マイクロバブル水液状化対策工法

概要

 マイクロバブル水液状化対策工法は、直径が数マイクロメートルの微細気泡(マイクロバブル)を含んだ水を地盤内に注入することにより、地盤を不飽和化し、液状化による被害を抑制する工法です。

 

工法原理

地盤内に空気を注入すると液状化に対する強度(液状化強度)が増加します。これは地震時に発生する間隙水圧の上昇を、地盤内に存在する空気(気泡)がクッションとなり抑制するためです。地盤の飽和度(空気量)と砂の液状化抵抗の関係は、飽和度が低下するほど大きくなり、飽和度が20%低下すると約2倍の強度増加になります。

 



施工概要

注入は、従来の薬液注入で使用されるボーリングによる二重管注入法に加え、狭い場所でも簡易的に施工可能なミニラムサウンディングマシンを使った小径のロッドを貫入し、注入することも出来ます。

マイクロバブル水はマイクロバブルジェネレーターにより生成します。装置内では、空気溶存量を高め、注入孔に設置したマイクロバブル発生ノズルによりマイクロバブルが発生する仕組みとなっています。これにより、高濃度のマイクロバブルを地盤内に浸透注入させることができます


性能および用途

これまで実験により、マイクロバブル水による地盤の液状化強度を調べました。実験により、マイクロバブル水を注入することにより、飽和度を約70~80%程度まで低下させることが出来、飽和度が10%程度下がるだけで,液状化強度が1.7倍になることが分かりました。

国土交通省の総合技術開発プロジェクト『多世代利用超長期住宅及び宅地の形成・管理技術の開発』では、宅地地盤の防災技術として本工法が取り上げられ、ある程度締め固まった地盤(N値が16程度)であれば、兵庫県南部地震クラスの地震でも液状化を防げることが認められました。また、N値7程度の非常に緩い砂地盤でも、震度5弱の耐震性能を確保し、5強以上でも液状化による沈下を半分程度に抑えることが確認されました。さらに地下水流がある実地盤での耐久性実験により、過酷な条件でも約半年間の飽和度の維持が観測されました。

広範囲で液状化対策が必要とされる護岸や河川堤防、埋立地のほか、既設宅地地盤などの入り組んだ場所でも施工が可能です。

国総研宅地地盤液状化対策大型振動台実験(建築研究所)

国総研宅地地盤液状化対策大型振動台実験(建築研究所)

浦安市格子状改良内地盤液状化対策実証実験(旭化成建材実験サイト内)

浦安市格子状改良内地盤液状化対策実証実験(旭化成建材実験サイト内)

特長

環境にやさしく経済的

  • 材料が水と空気のためクリーンで環境にも優しく、経済的です。

施工性、適用性

  • 大型な施工機械を使用しないため、入り組んだ住宅地盤など改良が可能です。
  • 強固な改良が必要とされる場合、他の工法を用いさらに改良することも出来ます。

開発経緯、実施事例

○工法研究開発(東京都市大学,産総研,筑波大学) H17~:要素実験(注水,液状化強度など),調査

○実物大実証実験(港空研,東京都市大学,産総研)H19 :北海道石狩港での注入実験・人工液状化実験

○国土交通省総合プロジェクト(国総研,ベターリビング,東京都市大学,産総研)H20~H22:宅地地盤の耐震技術としての検討

 ・H20年度:建築研究所での実物大振動台実験

   H20.9.1~H21.2.20 『液状化抑制効果実験における空気注入作業』

 ・H21年度:土木研究所での遠心載荷模型実験

   H22年1.25~H23.3.25 『宅地地盤の液状化対策における地盤特性と空気注入法の効果の関係に関する検討業務におけるマイクロバブル水注入作業』

 ・H22年度:実地盤での気泡耐久性実験

   H22.9.1~H23.3.25 『宅地地盤液状化対策のためのマイクロバブル水注入工法による実地盤内注入空気の持続性計測業務』

○シリカ薬液注入併用工法開発(強化土エンジニヤリング,東京都市大学)H23~:要素実験

○浦安市「市街地液状化対策実現可能性検討調査」(旭化成建材,ベターリビング,東京都市大学)H24~H25:格子状改良壁に囲まれた地盤内での実地盤実証実験

 

共同研究

東京都市大学,筑波大学,産業技術総合研究所,強化土エンジニヤリング

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