建築技術



炭素繊維シート補強工法(MARS工法)
「壁付き柱に適用範囲を拡大」


佐藤工業株式会社は、 ゼネコンや繊維メーカーなどで構成するMARS研究会の共同開発の一部として、既存鉄筋コンクリート造建物の炭素繊維シート補強工法(MARS工法)の適用範囲を拡大するために、壁付き柱の補強工法を開発しました。

  • 炭素繊維シートで柱を補強する工法は、独立柱を対象に開発が行われてきており、壁が付いた柱については対象外とされていました。
    これは、柱に壁が付いているため、独立柱のように柱の表面を炭素繊維シートにより閉鎖形に巻き付けられないためです。
    また、独立柱の補強を目的に各研究機関で性能評価実験が行われた経緯があり、壁付き柱の性能評価実験が極端に少ないことも、壁付き柱が対象外とされてきた実態をあらわしていると考えられます。

  • 今までは、壁付き柱を補強する場合、壁を撤去するなどの措置が必要であり、施工には大きな騒音、振動および粉塵が発生していました。
    このため、大規模な改修などには用いることができますが、建物を使用しながらの施工では多くの問題を抱えていました。

  • 本工法は、壁を撤去する工法に比べてコスト面ではほぼ同等ですが、工期面では大幅に短縮できることを試算しております。
    また、壁の撤去を伴わないため、建物の使用中での施工が可能である大きな利点を有しています。

  • 佐藤工業では、柱の表面に炭素繊維シートを貼り付け、柱と壁の取り付け部分には定着用金物と、壁を貫通するボルトを用いて炭素繊維シートの力を伝達する工法を開発しました。
    これにより、壁の撤去を行わずに、壁付き柱を炭素繊維シートで補強することができるようになりました。
    柱と壁の取り付き部分に用いた定着用金物は、炭素繊維シートの応力を円滑に伝達できるような形状としています。
    炭素繊維シートの応力は、定着用金物にエポキシ樹脂およびエポキシパテの接着力により伝達されます。

  • 本工法の開発に伴い、柱と壁の取り付き部分を取り出した要素実験および実大試験体を用いた構造実験を行って、炭素繊維シートで閉鎖型に補強した独立柱と同等の構造性能を有していることを確認しました。

     
  • この工法は、ゼネコンや繊維メーカーなどで構成するMARS研究会の共同開発の一部として、佐藤工業が担当して開発しました。

  • 今後の展開として、本工法を既存鉄筋コンクリート造建物の耐震補強工事へ適用していく予定です。
 


2003/01/01
戻る>耐震・制震・免震技術一覧
All Rights Reserved. Copyright 2010 SATO KOGYO Co,ltd.