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3Dマイクロホン収録データ解析ソフトウェア『OnView』の販売開始

2023年03月31日

360度全方向からの音を可視化した音配図を安価な装置で実現

佐藤工業と安藤ハザマ、長谷工コーポレーション、CAEソリューションズの4社は、産業技術総合研究所と共同開発した3Dマイクロホン収録データ解析ソフトウェア『OnView』の販売を開始しました。当ソフトウェアを利用することで、360度全方向からの音の強さを色により可視化した音配図を作成できます。
当ソフトウェアは、産業技術総合研究所が音源方向の解析アルゴリズムの評価やサンプルデータの解析・評価を、佐藤工業・安藤ハザマ・長谷工コーポレーションが音のサンプルデータ収集と技術評価を、CAEソリューションズがシステムの開発をそれぞれ担当しました(特許取得済)。当ソフトウェアを用いることで、建設現場周辺の外部騒音を始めとした、都市環境などにおける様々な音の発生・伝搬要因の調査について、精度の向上や効率化が期待できます。
今後は、当ソフトウェアへのリアルタイム解析機能の追加などを予定しており、騒音源のモニタリングや防犯・見守りなど、さらに幅広い分野での活用をめざします。

 販売サイトURL:https://www.cae-sc.com/product/OnView

【当ソフトウェアの概要】
 当ソフトウェアでは、市販の3Dマイクロホンにより録音したデータから、到来する音の強さならびに方位角と仰角を計測し、空間分布を360度画像にマッピングすることで、360度全方向の空間内の各音源の位置を色により可視化します。青から赤になるにつれて音が強く、色がついていない部分は音が弱いか存在しないことを表しています。さらに極座標グラフでは、水平および垂直の各方向からみた到来方向別の音の強さをわかりやすく表示します。

【当ソフトウェアの特長】
 1.360度全方向の音源を可視化
 従来の音環境評価は、主として騒音計(サウンドレベルメーター)を用いていましたが、騒音計は、音圧レベルは計測できるものの音源の方向や強さは計測できませんでした。また、従来のマイクロホンアレーなどによる音源方向の可視化システムは、大規模な装置を要し、かつ可視化範囲も限定されていましたが、当ソフトウェアでの3Dマイクロホンを用いた方式では、360度全方向の音源を可視化することが可能です。
 2.安価な市販機器を利用
 VR技術の普及により3Dマイクロホンの価格が低下したこと、さらに当ソフトウェアについても機能を可視化に絞り開発したことで、これまでの高価な可視化システムと比べ、導入費用を大きく下げることができました。市販の360度カメラやレコーダー、当ソフトウェアの導入費を含めても、10分の1程度の費用ですみます。
 3.現場における容易なセットアップ
 録音に使用する3Dマイクロホン本体は全長20cm程度と小型であり、ポータブルレコーダーと組み合わせることで、建設現場など様々な場所に設置しやすくなりました。また、録音後にデータをPCに保存し後分析する方式であることから、現場での操作はレコーダーによる録音のみとすることが可能です。

『OnView』使用例(音配図の表示画面、鉄道騒音(中央)と道路騒音(右部)を分離している)

『OnView』使用例(音配図の表示画面、鉄道騒音(中央)と道路騒音(右部)を分離している)

3Dマイクと360°カメラによる計測システム例

3Dマイクと360°カメラによる計測システム例