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「桐谷地区小水力発電所」が竣工、稼働開始

2025年07月04日

佐藤工業は、2025年7月2日、富山県富山市八尾町桐谷地区で建設していた「桐谷地区小水力発電所」の竣工式を行い、本格稼働を開始しました。当発電所は、富山市内において純民間企業が設置し事業を行う小水力発電所の第一号となります。
 
当社は、再生可能エネルギー創出の一環として、2018年に地域と連携した小水力発電に関する取り組みについて検討を始めました。当社発祥の地であり、水資源が豊富な富山県内での事業を模索し、富山国際大学 上坂 博亨 教授(全国小水力利用推進協議会 代表理事)から助言をいただくなか、当地区住民の発意を受けました。その後、事業環境の調査を始めるとともに、富山市との連携や地元設計会社等の協力・協議を経て、計画を策定。2024年4月、「桐谷地区小水力発電所」の建設に着手。2025年6月に竣工し、稼働を開始したものです。
 
◆事業の特色
桐谷地区・富山国際大学・富山市・佐藤工業が連携した取り組みです。
当発電所の地点調査や計画検討については、桐谷地区住民、上坂教授が現地調査に同行し、設置場所の地形や水量等について、議論を重ねながら計画を進め、発電所を建設しました。
当発電所の発電出力は、49.5kWであり、小水力の中でもマイクロ水力の区分に分類されますが、各関係者が連携して立ち上げた、富山市初の純民間企業による小水力発電所となります。
当地区に賦存するエネルギーを利用することで、年間でおよそ130t-CO2の二酸化炭素排出量の削減効果が見込まれます。
また、災害非常時の電源供給として蓄電池接続を検討するほか、日常的な維持管理業務を地域の方へ委託するなど、地域との連携をさらに進めてまいります。
なお当発電所は運転開始後20年にわたり、固定価格買取制度(FIT)を活用していく方針です。
 
◆今後の展開
これまで当社では、再生可能エネルギー利活用への取り組みとして、太陽光発電事業について自社展開やEPCを含む施工支援を行ってきました。今回の桐谷地区小水力発電所の稼働に伴い、小水力発電事業にも本格参入します。現在、当発電所に続き、発電出力およそ700kWの小水力発電所を新潟県糸魚川市内で計画中です。
小水力は、昼夜、年間を通じて安定した発電が可能で、発電の効率性が高いなどのメリットがあります。
当社では今後も引き続き、小水力発電のノウハウを高め、再生可能エネルギーの普及拡大に努め、脱炭素社会の実現、持続可能な社会の実現に向けて尽力してまいります。
 
※EPC ・・・「Engineering, Procurement and Construction」の略で、
        プラント等の「設計・調達・建設」を請け負うビジネスモデルです。
◆事業概要
 発電所名   : 桐谷地区小水力発電所
 事業者    : 佐藤工業株式会社
 設置場所   : 富山県富山市八尾町桐谷地区
 河川名    : 神通川水系 久婦須川支流 大切谷川
 有効落差   : 33.266 m
 最大使用水量 : 0.189 m/s
 発電出力   : 49.5kW ※マイクロ水力に区分 環境省「小水力発電情報サイト」より
 年間発電量  : 295,400kWh(およそ75世帯分の年間消費電力量に相当)
 発電方式   : 水路式
 取水施設    取水堰を利用した取水
 水圧管路    FRPM管(水圧管路延長:334.62m)
 水車の種類   クロスフロー水車(スロベニア・シアプロ社製)
 発電機の種類  三相誘導発電機
 売電先     北陸電力株式会社へFIT売電
 運転開始(時期)  : 2025年6月
 CO2削減効果  130t-CO2
 工期     : 2024年4月1日~2025年6月14日
 施工     : 北尾工業株式会社
          株式会社杉山組
          株式会社新栄電設
          株式会社ケイプラス

桐谷地区小水力発電所 全景
桐谷地区小水力発電所 全景

発電所位置図

発電所位置図

発電所外観

発電所外観

取水設備

取水設備

発電所内部(水車発電機)

発電所内部(水車発電機)

テープカットの様子

テープカットの様子

発電機を起動するセレモニー

発電機を起動するセレモニー