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低炭素型地盤改良技術 『非セメント系超微粒子注入工法』の開発

2022年07月07日

非セメント系超微粒子注入地盤のイメージ(左:注入時、右:注入固化後)
非セメント系超微粒子注入地盤のイメージ(左:注入時、右:注入固化後)

佐藤工業は、東京都市大学と強化土エンジニアリング㈱と共同で、高炉スラグなどの産業副産物を母材とする非セメント系の微粒子を粉砕して超微粒子化した材料を利用した『非セメント系超微粒子注入工法』を開発しました。

この工法は、非セメント系超微粒子材料を地盤内に注入することにより地盤の密度を増大させるとともに、超微粒子同士が化学反応を起こして固化することにより地盤強度を増加させるもので、材料としては高炉スラグ、石膏(硫酸カルシウム)、酸化マグネシウム、シリカなどを利用します。主材となる高炉スラグの生産時のCO2排出量は、セメントに比べ10分の1程度であり、セメントを使用した懸濁型注入材に比べCO2削減効果が期待できます。また、施工時の六価クロム溶出もなく、環境負荷を低減した地盤改良工法です。

改良地盤は、一軸圧縮強さで300kN/㎡以上を有することが室内試験で確認されており、液状化対策として十分な効果が期待できます。また、材料を粉砕して超微粒子化することにより、材料が低粘性となって凝集しにくくなり、粒子径の大きな材料よりも浸透性能が向上することも室内試験で確認しています。さらに、従来の薬液注入工法のコンパクトな注入機構をそのまま適用することが可能であり、狭隘な場所でも施工できます。
生産性の向上にも期待できるほか、これまで環境的な理由や経済的に厳しいなどの理由で地盤改良の適用が難しかった箇所にも利用が可能となります。
今後、材料コストを低減させる新たな地盤注入工法として、多用途での適用をめざしていきます。

6号硅砂地盤2次元注入実験での改良体の様子

6号硅砂地盤2次元注入実験での改良体の様子

改良体の強度分布

改良体の強度分布