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『自己充塡コンクリートを用いた覆工構築システム』 トンネル覆工自動化に向け現場に初適用

2023年04月27日

 佐藤工業は、自己充塡コンクリートを用いたトンネル覆工構築システムの実用化をめざし、2020年6月からこれまでに要素実験、中規模実験、実物大実験を重ねてきました。
 その実験成果を踏まえ、「令和3年度2災公共土木施設災害復旧工事(国)418号下伊那郡天龍村足瀬1工区」(以下、足瀬トンネル工事という)【発注者:長野県】において、2023年3月~4月にかけてトンネル覆工の一部(10ブロック)を対象に、当システムを初めて本設構造物に適用。コンクリートの締固め作業が不要で、打設作業を3名で行えるなど省力化・省人化が実証でき、トンネル覆工自動化に向けさらに前進することができました。

【開発の経緯】
 トンネル覆工コンクリートの構築作業は、作業員の高齢化や熟練作業員の不足、狭隘空間での作業など改善が求められています。また品質の面においても、コンクリート品質の変動や振動締固めの不備に起因する材料分離、および充塡不良などの施工に起因した欠陥が散見され予防策が求められています。
 そこで当社では、省力化や省人化、覆工品質の向上を目的に、自己充塡コンクリートを用いてトンネル覆工を自動化する『自己充塡覆工構築システム』の開発を進めてきました。
 当システムの主な特長は、自己充塡コンクリートの使用と圧入方式を採用したことです。まず、振動締固め作業と打込みの進行に伴う上方への配管切替え作業が不要で、天端部までコンクリートを確実に充塡できることを実物大規模の実験で確立しました。
 そこで今回、足瀬トンネル工事において、発注者である長野県飯田建設事務所に当システムの適用を提案し、実際のトンネル覆工の一部(10ブロック)を対象に導入しました。

【『トンネル覆工自動化』の概要】
 実装区間の諸元は、掘削断面積(余掘りおよびインバートを含む)が約64㎡、1ブロック当たりのコンクリート量(余巻きを含む)が約64㎥です。従来方法では配管を順次上方へ切替えながらコンクリートを作業窓と天端部吹上口から供給するのに対し、「自己充塡覆工構築システム」では、自己充塡コンクリートを使用してセントル下端に設置した圧入口から圧入のみで天端部まで打設しました。
 省力化や省人化の面においては、コンクリート打込みに際し振動締固めや配管切替え等の作業もないため、作業員は3名で施工可能でした。振動締固め作業を行わないため、打込み時の坑内でバイブレータによる騒音が発生せず、労働環境の改善につながることも確認しました。また覆工品質の面においても、施工に起因した欠陥は認められず、出来映えは天端の縞模様の少ない美観を呈し、スプリングライン下方の表面気泡が現れることもありませんでした。
 なお、打込み開始から終了までの時間は、従来工法に比べ平均で1時間20分程度の時間短縮が図れ、生産性向上も確認できました。

【今後の取り組み】
 今回得られた知見を参考に、セントルの設備・構造等の改良を重ね、加えて使用コンクリートの低廉化等も図ることで、『トンネル覆工自動化』の完成度をさらに向上させていきます。

施工方法の比較(左:従来の施工方法、右:実装した覆工構築システム)
施工方法の比較(左:従来の施工方法、右:実装した覆工構築システム)

作業員3名での打設状況

作業員3名での打設状況

覆工の出来映え

覆工の出来映え